もう奇跡とは言わせない

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ラグビーボール形の絵馬 🏉 下鴨神社の澤田社


紅白の戦士のゆくて濃緑の壁なすアイルランドのディフェンス


後続に球を投げつつ前進す。ラグビーのみに限らざるなり


ゴール前数十メーター駆け駆けるラガーマンの父祖は飛脚か

 

白塗りに朱の隈取りのカブキモノ三人浮かぶ観客席に

 

「ダイバーシティ」耳にするたび思ひ出さむラグビー固有の多民族性


(『短歌人』2020年1月号)

 

初めてのネット歌会 *the first internet tanka party for me

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ふりかへる人も少なき病院の樅の光の朱(あか)あたたかし

Christmas tree
in a hospital, which
few people look up
but the illumination is
red and heart-warming


歌人」ネット歌会詠草 →

 

 

汽車茶瓶

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西の京駅から乗るは春の風さくらひらひら坊さまふたり

 

合舞のやうに足並みそろへつつメトロのホームをゆく老夫婦

 

豪州にも「みかんの花」の手遊びあり「パティ・ケーキ」の焼けるあひだの

 

ベビーカーのボクはパパ似の口ひろげパパと同期のあくびをはなつ

 

長浜の汽車茶瓶の赭土(そほに)いろインドのチャイの土の坏の色

 

(『短歌人』2019年12月号)

 

 

万霊節 ― Allerseelen

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Foro Romano, November 1999

 

盲ひたる目のごと御堂に嵌められし玻璃窓の薔薇 内にのみぞ咲く

 

教会の床に先祖を葬りし異国の人は踏み絵を知らず

 

薔薇園は死者の骨灰の風を浴み濃きむらさきへたそがれてゆく

 

すでにほろびしものは決してほろぶまじ青猫いこふフォロ・ロマーノに (小池光氏の評により末尾一文字を変更)

 

万霊節めぐりくるたび思ひ出す夢にあを猫飼ひならす人

 

(『短歌人』2019年11月号)

 

 

 

余白の歌(永井陽子を読みながら)― Marginalia

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舞楽面「新鳥鮮」(春日大社)

 

新鳥蘇はヴァイオリンの f 孔を面(おもて)にあけて秋日をわらふ

 

よみかたも知らぬ漢字一文字に睨まれてゐし児の熱の夜

 

うすあをき蚊帳の天蓋あふぐ子はしらずジォットの星空の天藍石(あを)

 

あの夜たしかに窓の欅はエトルタの潮騒をもて吾(あ)を迎へたり

 

歌といふ文字にひらいた口ふたつ。たれのことばを吾(われ)はつたふる

 

(『短歌人』2019年10月号)

 

 

 

鬱金香まんだら

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原種のチューリップ(馬見丘陵公園)

 

アナトリアの砂礫の中でひらきたる原種の鬱金香(ラレ)は瓣(はなびら)ほそし

 

長ければ長いほどよし燕尾型ラレはアラーの、スルタンの花

 

ツリパとはターバンのことターバンの形につぼむ鬱金香(うつこんかう)は

 

ウイルスのそれともサタンの哄笑か病める球根ひとを狂はす

 

デルフトの街に溢れしチューリップ病葉めきたるだんだらの花

 

(『短歌人』2019年9月号)

 

咲いた咲いた幼が愛づるチューリップ赤白黄色ふつくらゆれて

 

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ソメヰヨシノは本当に美しいのか

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焼けたる人を見し日のありや桜花幹に漲るうすべにの液 

 

焼け跡を覆はんがため植ゑられし桜はおほく傘寿を越えず 

 

街灯のスポットライト浴びながら染井吉野はいちどきに散る

 

いつせいに散るのを責めはしなかつた。花たちはただただに咲き散る 

 

クローンの桜は白しLED街灯ひとつ花篝として

 

(『短歌人』2019年8月号)

野の山の田圃の御堂の学舎(まなびや)の額縁となる そめゐよしのよ

someiyoshino sont devenus un cadre
du champ, de la campagne, de l' église, et de l' école

(「ももさへづり*やまと編」)

 

パリのノートル・ダムに寄す

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(google search)

 

み空より炎の十字見守(まも)りけむ復活祭をまつ大み神

 

尖塔は火の矢となりて昇天すけぶりの雲を貫きながら

 

知らざりき森ひとつぶんの木の梁が石の伽藍を支へきたるを

 

森ひとつぶんの木組は燃えつつも玻璃と石とを守りぬきたり

 

巨大なる鳳笙、パイプオルガンの数千(すせん)の管は一つも溶けず

 

(『短歌人』2019年7月号)

 

耀変天目ふたつ

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藤田美術館蔵(於 奈良国立博物館)(5月)(海亀?)

 

天目の夜空をあふぎ天目の深海のぞく卯月早苗月

 

茶道誌とタンカの本とそれぞれの色の書店の手提げで交はす

 

午後四時半茶碗へつづく行列の絶えればヨッシャー!と拳をにぎる

 

奈良駅で人に酔ふとは新緑の奈良公園で夏バテするとは

 

マスクとり久方ぶりにしやべくれば声はかすれて心うるほふ

 

バス停のとなりでゆるる芍薬はふたたび逢ひし人の花咲(ゑ)み

 

 

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MIHO MUSEUM(4月)(掌中の宇宙)

 

 

 

 

 

はじめての歌会

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細くなる新町通り影落ちて歩く人みな歌人と見ゆる

 

外界に夏来にけらし送られし本にも明覺寺の戸にも、蚊

 

門前の自動販売機に救はれき関西限定焙じ茶缶に

 

ふかぶかと披講のバリトンひびきたり歌の起源は口承にあり

 

会堂の窓の隙より笹のかぜ詠草集の漉き紙ふはり

 

さみどりの短歌手帖は初めての歌会(かくわい)のうたで終ひとなりぬ

 

歌会(うたくわい)のかへりの窓に立ちし虹みじかく太き七色の虹

 

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歌会の詳しい様子はこちら→ 🌸 (ももさへづり*やまと編)

 

 

 

 

 

 

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