ドビュッシー日和

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コチ(東風)の会第10回公演 →                    笙をかたどった内装

平城山

平城山をさまよふ女(をみな)が哀歌(エレジー)を慰めるごと横笛の風

   

海ゆかば

水底(みなぞこ)を歩むもののふ二すぢの光をつかみ天へ昇りぬ

   

抜頭

天竺の馬の化神(けしん)のいななきは黒髪山を朱(あけ)に染めたり

   

カノープ

埃及(エジプト)の王の臓腑をおさめたる壺を曇らす倭(やまと)の音階

   

はちす(蓮)

わが魂(たま)を浄めたまへと祈るとき不協和音はそのままで澄む

   

牧神の午後への前奏曲

牧神の午後をまどろむ横笛はシルクロードの羊を夢む

  

百年前の夢がジャポンでよみがへる十年目なる東風の会にて

   

唐楽図絵

フランスの海と亜細亜の沙漠とが出逢ふやまとの楽興の時

   

アンコール

近衛秀麿先生が口ずさむちんちん千鳥…木枯らしはまだ
 

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黒髪山音楽ホールの屋根に散り初めた紅葉




能 砧(きぬた)

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老いこそは華やぎのとき露霜は白き菊花をむらさきに染む

 

残菊のかをる唐織おもたくて倭嫗(やまとおうな)は砧にすがる

 

執心の音とは知らず ― 遠つ国の夫を怨む嫗の砧

 

ほろほろはら虫も哀歌を断ち切らる扇のたつる幻の音()


おしまひのおしまひにきて亡き妻を直(ひた)と見つめて経誦む男

 

 

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秋の夕べの大阪城
「蘇武 砧」の画像検索結果


水の記憶 * desert rose

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砂漠のバラCaSO42H2Oは、じつはがないと生まれない。
湖が干上がるとき、水に含まれていたミネラル成分が結晶するという。

 

水あればこそ生れるとふ沙漠の薔薇 花弁のかげのひとつぶ 

みずあればこそ あれるとう デザート・ローズ
かべんのかげの ひとつぶ なみだ

the desert rose
is born from minerals
in the water
of a lost lake in a desert
it hides in petals one teardrop 

フランスの俳人、小津夜景さんのブログに引用して頂きました(10月18日) 



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しのぶれど(2013年) 写真はクリックで拡大


かへし

オアシスの記憶を夢の層として夜毎に太るデザート・ローズ

(ソーセージのかたちに結晶した、ぶっとい石もあります)




「フラワーズ・カンフー ももさえずり」の画像検索結果

小津さんの本(10月撮影)


平成 汽車詠 11首

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明治の駅舎(旧長浜駅)


灰色のヒジャーブ着けし赤さんは女の子なのと聞くまでもなく

赤さんの額の髪をくりかへしヒジャブの奥へ入れる母の手

皮つきのバナナのおしやぶり選びしは生後八月の真黒のひとみ

リュックより現れ出づるアライグマ、小鹿が泣かぬ先の友達

わが県にハラルショップのあることをインドネシアの夫婦より聞く

スマホ画面にならぶ文字(もんじ)はアルファベット ま近き異国の言葉を知らず

父は子をインドネシア語であやす英語日本語いまはおあづけ

かなしみをいまだ知らざる赤さんの涙はかろくすきとほりたり

水芭蕉めきたるムスリム・スケーターの五輪を滑りしこと語らひて

ベビーカーふたりでホームへ運び出し君は手をふる 旧友のごと
 

欠けてゆく月がま白き吊革を輪くぐりしてた神無月の宵

 

広重の月もフォトフレームで輪くぐりを…

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あの琴を鳴らすのはあなた

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堺大茶会(大仙公園)

 

友とあふこころふくらむ栗名月 鳳ゆきの汽車にゆられて

 

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この琴を鳴らすのは君 さあ屏風へお入り 銀の月を愛でよう

 

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伝土佐光茂筆「帚木図屏風」(『特別展 土佐光吉 戦国の世を生きた やまと絵師』図録)

 

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ジャングルジムから落ちる夢 * dream of falling down from a climbing frame

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小津夜景「日替わりの夢にはいまだ慣れない」にインスパイアされて詠める

 

鉄棒ではじめて出来た前回りぐるんと宇宙が転回した日

  

http://yakeiozu.blogspot.com/2018/10/blog-post_84.html (「日替わりの夢にはいまだ慣れない」)



小津夜景さんはフランス在住の俳人です。

 snowdropの「夏から秋へ*from summer to autumn」(前の記事)の一首を引用してくださいました。



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ジャングルジムずらりと並ぶ額縁に子供のころの未来が映る

climing frame,

whose frames

reflect

the futures of my childhood

like picture frames 

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おまけ*ジャングルジムも鉄棒も苦手だったsnowdrop(昭和40年代)


夏から秋へ * from summer to autumn

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低空(ひくぞら)に夏 高空(たかぞら)に秋がゐてすれちがふのか綱引きするのか   (9月1日)
While summer is in the lower sky,

autumn in the higher sky.

Are they passing each other

or having a tug-of-war ?

 

五分後の余震に割れるかもしれぬ鳥の器のくぼみを磨く


災害のたびに交はせるEメイルぽつりぽつりと街灯のごと

 

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鵤至(いかる いたる)

「いかる 鳥 」の画像検索結果

wikipedia

 

 

金いろの三角の嘴(はし)ぬれぬれと(いかる)は到る雨の樹のなか (9月12日)

 

 

斑鳩の里し恋しも鵤(いかる)鳴くみ寺に吾の前世ありとや

 

 

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夢殿 安田靫彦 東京国立博物館蔵 Yumedono YASUDA Yukihiko Tokyo National Museum




 

火夏星ちかし * Mars' Closest Approach

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飛天のような朝雲

常よりも大きく光る火の星はまたたかぬ星もう燃えぬ星

 

Mars

shining stronger than usual

is a star

that does not twinkle

that does not burn any more

 

布団から火星が見えると父の声背中で聞いてカメラをのぞく


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ネウマ譜のような有明の月




 

喜寿のお祝い * celebration of our teacher's 77th birthday

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喜寿こえし恩師を囲む祝宴をしづかに守る門(かど)の兵馬俑

「〇ちやん」と恩師がいへばたちまちにここはインドの中華飯店

平成は地震(なゐ)大水の多き御代(みよ)平和あれかし残る月日に


Heisei,
the era of the Peace
of both inside and outside the country,
has been the era
of the Earthquakes, Floods, etc.
I cannot help praying the Peace of the rest of the era


Photo



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